京都のお茶屋さん通いが縁で知り合った茶友のSさんと、梅香庵茶舗さんに行ってきました。
梅香庵茶舗さんのことは、大好きな蓬莱堂茶舗のオーナーさんに教えてもらいました。
「梅香庵茶舗に行ってみたら。面白い茶の話が聞けるかもしれないね。」
茶友Sさんと午前中に待ち合わせをして、猛暑の中汗だくになって自転車を走らせ、梅香庵茶舗さんに着くと、「今日は午後からの営業です」の張り紙... 外で待つなんて1分とできない暑さなので、しばし近くの喫茶店で涼み、お昼ぴったりにお店に電話をしてから伺いました。
すると、梅香庵茶舗さんのご主人が、お店の前で待っていてくださいました。暑い中、見ず知らずの私達を、出迎えようと待っていてくださったのです。電話一本かけただけで、誰の紹介でもない私達を!
「まあ、座って。冷たい抹茶でも」
店内に入ると、すぐに席を用意してくださり、抹茶碗、茶筅を揃え、氷水で茶を点ててくださいました。氷水でこんなにきめ細やかな泡の抹茶が点てられるなんてすごい!と茶友Sさんがビックリしていました。
もう、ここで、感動です。
梅香庵茶舗さんは、喫茶サービスがあるお店ではありません。京都に住む人達や飲食店さんの日々のお茶を販売する、スタンダードなお茶屋さんなのです。そこに自転車に乗った2人のお客がきただけのこと。常連でも、なんでもないし、観光客でもありません。
セールストークをするわけでもなく、ただ、笑顔で私達を迎えてくださり、生き返るような茶を振舞ってくださったのです。
「で、今日はどうして、ここへ?」
美味しい抹茶で暑さがおさまった私達の、ホッとした顔を確認してから、店主さんが質問されました。
私達が茶を学ぼうとしていること。蓬莱堂茶舗さんからお店を教えてもらったこと。面白い話が聞けるかもしれないと、図々しくも来てしまったことをご説明しました。
蓬莱堂茶舗のご主人との縁、お茶屋を始められた理由(ご主人は元・額装屋さんだったそうです)などをお話くださった後、今度ちょっと興味深い場所へいくのだと教えてくださいました。
それは、日本最古の茶畑。現在、京都市右京区・高山寺にあると知られています。栄西さんが神護寺の明恵さんに茶の種を渡して植えたという茶畑です。
ところが、それより300年も前に、滋賀県大津市の日吉大社近くに最澄さんがお茶を植えた記録があるそうです。それが日吉茶園さん。梅香庵茶舗さんは、友人知人(つまり、梅香庵茶舗さんの茶友)と一緒に今度見に行くことになっているそうです。
良かったら来る?とお誘いまでいただきました。何度も言いますが、私達はこの日、初めて店主さんとお会いしました。そんなすぐに誘っていいのですか...? 大先輩の方々の中に混ざっていいのですか...?
楽しいお話をたくさんしてくださり、時間はどんどん過ぎていきました。これ以上ご迷惑をかけてはいけないと、私達はそれぞれに買うお茶を包んで帰ろうとしているうちに、お一人の常連のお客様がいらっしゃいました。
常連さんは、しばらく店主と私達の様子を見るだけだったのですが、いつの間にか茶友Sさんと会話が弾んでいました。
「お茶を美味しく淹れたいなら、錦市場近くにある湧き水が必要だよ」
「朝5時からガイドボランティアしているから、案内するよ」
そう教えてくれたので、茶友Sさんと、今度行こうと約束しました。
お茶って、なんでこんなに人を上手につなげるのでしょうか。
本当に、本当に不思議です。
私達の茶友会に参加されたい方、どうぞご連絡くださいな。
ずーーーーーーッとお茶の話してますけど、ご興味あれば、ぜひ。
梅香庵茶舗
京都府京都市下京区橘町(松原通)46-1
↓ 店内はこんな感じです。