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ルーツ


10月3日。

加賀市の打越製茶組合さんと、初めての打ち合わせだった。

茶レンジの会(石川県茶商工業協同組合)さんから、小林屋茶舗さんも同席してくださり、和紅茶のことや林屋亀治郎さんのお話をお聞きできた。帰りに、組合会長の吉田さんが、生の栗をふた粒くれた。可愛いから、家の玄関に飾っている。

さて、栗ではなく、茶の話。

私には、気になっていることがある。「打越」という名を、私はずっと前から知っていたのだけど、なぜ記憶にあるのかが定かではない。地名だけではなく、「打越」と「茶」というキーワードも、確かに繋がって記憶にある。

金沢生まれ金沢育ちの私は、きっと成長過程で、打越のお茶を飲んでいたのだろう。そう思って、母に「うちのお茶って、いつもどこのを買ってたの?」と聞いたら、「おばあちゃんが買ってきてくれてたから、わからないなぁ」と。そうか、うちのお茶は、おばあちゃんが決めてたのね。おばあちゃんが選んでいたのが、打越のお茶だったのかな?

私は、おばあちゃんっ子だった。おばあちゃんにマンガをねだり、おばあちゃんからミシンを習い、茶の淹れ方もおばあちゃんの見様見真似で憶えた。「打越」のお茶は美味しい。私の脳ミソにそうインプットされているのも、おばあちゃんがルーツだという仮定は、おそらく正解だと思う。

茶のお仕事に関わることになった時、幾つかの想いを書き出した。その中に、子どもたちへの茶の伝え方、というのがある。私が茶の美味しさ・淹れ方を憶えたのは、家で茶を飲む日常があったから。居間のテーブルの横にポット・急須・茶筒のセットがあった。台所にまで行かずとも、手を伸ばすと届くところに。

その配置を推奨しようということではない。

茶と子どもの日常との距離を、楽しく近づけることができたらいいなと思っているのだ。だって、茶は養生の仙薬なりという言葉があるくらいで、体に良いという。ならば、子どもの頃から飲み親しんで、丈夫にすくすく育って欲しい。できれば、淹れたての茶の香りや味とともに、養生することの大事さや手軽さも憶えてくれたら嬉しい。

自分のルーツの中に、茶がある。

みなさんのルーツには、何がありますか?

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