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丸子紅茶


先日、静岡に行った時、「紅茶作りの先生」のところにも行ってきました。丸子紅茶の村松二六さんです。

打越製茶の吉田さんは、紅茶作りを教えてもらうため、茶レンジの会の小林さんと一緒に、この村松先生の元に通ったそうです。静岡の先生の元から加賀までの帰路では、持ち帰る茶の発酵が止まらないよう、ドライブインごとに車を停めてユサユサと茶を揺すりながら移動するなど、紅茶作り修行時代ならではの苦労も多かったようです。モノづくりには必ずドラマがあって、加賀紅茶も例に漏れず、誕生までの物語があるワケですが、村松先生は加賀紅茶のドラマの中でも、さらに日本の紅茶というドラマの中でも、かなり重要な登場人物です。

村松先生のお家の近くには起木神社があります。その社殿の横に、日本紅茶の生みの親と言われる旧幕臣 多田元吉翁の顕彰碑が建立されていました。

多田元吉翁は徳川家の家臣。静岡の丸子に移住し、広大な茶園を開きました。明治政府の命を受け、中国、インドを巡って学んだ紅茶製造の技術を日本全国に広めた方です。

紅茶の輸入自由化など、経済の流れの中で衰退していく日本の紅茶でしたが、この丸子の地に紅茶の灯を消してはならないと、紅茶品種の紅富貴を日本で最初に民間で栽培したのが村松先生です。

大変緊張して伺ったのですが、村松先生はとても気さくで優しく、細やかな気遣いで迎えてくださいました。まずは一杯と淹れてくださった丸子紅茶の香り高いこと! そして二杯目のミルクティーが本当に美味しくて! たっぷりの牛乳と砂糖で作ってくださったのですが、しっかりと紅茶の渋味も感じることができる力強さでした。

村松先生、吉田さん、小林さんは、国産紅茶についての情報交換・品質向上に関するディスカッションを入念にされていました。これは化学研究所の会議なのか?と思うような数字や専門用語がたくさん飛び交う内容で、私にはチンプンカンプンでしたが、茶に情熱を傾ける先輩方の熱量が伝わってきて、とてもエキサイティングな時間でした。

多田元吉翁から始まった日本の紅茶。今も、様々な登場人物が、物語を熱く展開させています。面白いです。

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